思想
データ侵害を前に、いかに事業を守るか
① 開発思想
すべての侵入を防ぐことはできず、失われたデータを必ず取り戻せるとは限らない。
データ侵害を前提とした場合、改ざんの有無だけでなく、データ自体に欠落がないことも証明する必要があります。
そのためには、侵害後の検証だけに頼るのではなく、保存時点での成否を確定し、データの存在を証明できる仕組みが必要です。
時代の変化とともに、攻撃手法は高度化し続ける。
私たちが目指すのは、防衛だけに頼るのではなく、復旧に必要なデータを確実に残し、取り戻せる状態をあらかじめ作ることです。
事業を営む方々のために。
技術ができることを、技術によって実現する。
これが私たちの立ち位置です。
② 設計思想
私たちは、三つの原則を基本として技術を設計しました。
第一に、業務上作成されたあらゆるデータを固定できること。
テキスト、文書・画像などのファイル、その他のバイナリデータを含め、形式や業務の種類を問わず、原本を検証可能な状態で保存すること。
第二に、既存システムや実装主体に負担をかけないこと。
業務の性能や可用性を損なわず、既存システムへの変更や処理負荷、導入に必要な作業を可能な限り抑えること。
第三に、証明力を犠牲にしないこと。
システムが侵害されても、何が正しい原本なのかを、侵害されたシステムに依存せず証明できること。
そして、復旧に必要なデータを個別に特定できること。
これらを実現するため、特定の製品や技術に依存せず、接続先に応じた方法で原本を取得できる構成としました。
既存システムを技術に合わせるのではなく、技術を既存システムに合わせる。
これが、私たちの設計思想です。
③ 実装及び検証
これらの設計思想を実現するため、データの捕捉、証明情報の生成・保存、独立した検証及び復旧に関する機能を実装しました。
オンプレミス環境とクラウド環境の双方を対象に、グループウェア、ERP、医療用電子カルテなど、異なる構造を持つ10系統のシステムで検証を実施しています。
各システムでは、以下の適合性を確認しました。
- 業務データの捕捉
- 証明情報の生成・保存
- 個々のデータ単位での復旧適合
また、第三者による独立した検証を可能にする仕組みとして、RFC 6962に基づくマークルツリーを利用した検証方式についても実証を完了しています。
既存システムへの接続・導入は、環境に応じて最短数時間から数日程度で対応可能です。
なお、接続先の構造や利用可能な機能によって、取得方法や保証できる範囲は異なるため、個別の環境に応じた適合性の確認が必要です。